専業主婦、働く①

専業主婦、19年振りに就業する!

結婚してから19年、いや、結婚が決まって即仕事を辞めたので、その時から19年、いわゆる就労はしていなかった。結婚以来ずっと、専業主婦をやっていた。

そんな私が、何を血迷ったのか、突然パートに応募したのだ。

51歳。世の中、人手不足とはいえ、さすがに無理だろう。

職種は、近所にある、地元で人気のケーキ屋さん。個人店である。

我が家もお気に入りで、家族3人とも誕生日は、

ここのショートケーキで決まりである。

色々試したが、やっぱりこのお店のがいちばんおいしいのだ。

そんなお店の、求人の張り紙に、年齢制限は書いていなかった。

「ケーキの販売 土日できる方 時間応相談」

ケーキの販売の仕事なら、経験があった。

しかも銀座の有名フレンチレストランに併設されていたケーキショップだ。

とはいえ、学生の頃だから、30年前のことだが・・・。

今思えば、なんでそんな「勇気」が出たのか、全くもって不明である。

でも、そのなぜだかわからん勇気を持って、店主に直に聞いてみた。

まさかの「ぜひ」という店主の言葉。

でもまだその時点では年齢は明かしていなかった。

19年専業主婦をしていた人間だということも言っていなかった。

とりあえず履歴書を持って来いと。

「こんな私でも雇ってもらえるのか!」

浮き足立って、早速ダイソーで履歴書(アルバイト・パート用)を買い、

20年振りくらいに履歴書を書く。

さすがに年齢は嘘はつけないが、職歴に関しては、「もう昔過ぎて細かいことは忘れちゃいました」というテイで、一体いつから働いてないのかは、はっきりわからない感じで。

そしてこれまた、まさかの採用。

「私で本当によろしいんでしょうか!」

「もちろんです」

ついに就業である。

お金が、稼げる。

自分の、力で。

しかし!

このまま、のんきで楽チンなケーキ屋店員ができるかと思いきや、

予想外のことの連続・・・

いや、予想はできたはずのことなのか、

単に自分の下調べが足りなかっただけのことなのか。

とにかく、このあと、50過ぎのオバハンの、ケーキ屋奮闘記が始まるのである。

別に奮闘なんかする気はさらさらなかったんだけどね。

そこまでして稼がなきゃならない状況というわけでもないんだけどね。

乗りかかった船である。

これはもう、ネタにするしかない(苦笑)

続きます。

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